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萬古秘伝の霊符

 代々木公園六本木ヒルズでの出来事に象徴されるように、なんだか私の人生はここ数年、ついてないというか、さえないというか、ぱっとしない。

 あきらめかけていた子供が3年前にできて、子育ては予想以上に大変でも楽しいから家庭生活は幸せなほうだと思うのだが、仕事など家庭の外での活動がダメなんだ。人との出会いを活かせず、仕事に充実感を得られず、金銭的にもずっとビンボーだ。

 お金の勘定ができない、ギリギリにならないとやらないなど、私が社会人として落第に近いということは自分でも認める。が、それにしても、他人と較べて自分の能力が著しく劣るとか、センスが悪いなどとも思えないので、これほどの不遇は釈然としない。
 今のところ仕事がないわけではないから「不遇」というのはつまりやる気がないだけ、と言われればそれまでなんですけど。

 まあとにかく私としては、このモヤモヤした気分、寸止めみたいな状態がいつまでも続くことにはいいかげんウンザリしているわけだ。しかも前述の通り、楽しみにしていたイベントまでが連続して空振りに終わったとなれば、もはや私の心は虚無感にとらわれて立ち上がることができない。

 そこでこの際、ウリナラ萬古秘伝の霊符に頼ってみることにした。
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 韓国のシャーマニズムに関心があって、以前ソウルで買った本だ。この中から、行く手を遮る悪鬼を祓い、所願成就に至らしむる御札を選んで描いてみた。
 煩悩だらけで霊力ゼロのさえない私だが、精魂をこめて描いた。

所願成就符
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 ↑ 常に身につけているか、寝るときに枕の下に敷くなどすれば願いがかなう

悪鬼不侵符
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 ↑ 身につければ悪鬼は近寄れず、部屋の入り口の上に貼れば悪鬼の侵入を防ぐ

 見ての通り、この二つは形がよく似ているが、役割がそれぞれ違う。ペアで使えば相乗効果によってその効力は絶大なものとなるはずだ(効果には個人差があります)。

 画面では大きく表示されるが300dpiのカードサイズだ。必要ならそれぞれの画像を右クリックでダウンロードし、厚手の紙にキレイに印刷して常時携帯し、あなたの願いをかなえてください!

# by kobugimori | 2008-10-29 17:34

自由処女

 今日は、東京国際映画祭で上映される韓国映画「自由処女」を見に、六本木ヒルズまで行った。
 会場のチケット売り場で当日券を買おうとしたら
「当日券は完売です」
と言われた (ioi)/~

 先週の代々木公園に続いて、またこんな間抜けなことになってしまった。
 なんだか私の人生を象徴するかのようで、さすがにへこんだ。目の前にはたしかに宝物があるのに、つかもうとしてつかめない。宝物がホログラムなのか、自分が幽霊なのか…。
 もしかしたら私は死ぬまでこの繰り返しだろうか? と思ったら暗澹たる気分になってしまいましたよ!

 まあいいや、人生なんてそんなもんさ、ふっ…。
 実は「自由処女」はうちの押し入れを探せばビデオがあるはずなんだ、むかーし、チョンゲチョンにあったガラクタ市場の中古ビデオの山からアンソヨンが主演ということでHな内容を期待して買ってきたから。
 当時は言葉もよくわからず、H度も期待はずれでそのまま記憶の底に沈んでいたのだが、最近になってこの監督が韓国カルトムービーの巨匠キムギヨンで、今年の東京国際映画祭で特集みたいな形で上映されると知って、あの掃き溜めのような市場から六本木ヒルズへの出世がすばらしいと思ったし、あのミョーな映画を立派なスクリーンで見たらどんなだろうと興味があっただけだ。こんなのが満席で見れないとは思いもしなかった。

 ところでこのアンソヨンという女優さんは、いわゆる386世代(韓国の民主化を担った世代、現在40代くらい)の夜のオカズとして、いわば「みうらじゅんにとっての谷ナオミ」に匹敵する存在だったといっても過言ではない。私も韓国にどっぷりハマっていた20代半ばころにはそれなりにお世話になった。
 現在はビデオデッキがないので見れないが、うちの押し入れには今でもこの「自由処女」のほかに代表作「愛麻夫人」や「ミオミオミオ(憎い憎い憎い)」などのアンソヨンものがいくつか眠っている。
 今回、スクリーンで彼女に再会できなかったのは残念だったが、機会があればまた見たいと思います!

自由処女_d0075839_2354013.jpg

↑ ググったらこんなのがでてきた、最近の写真ぽいと思ったら、ずっと芸能界から遠ざかっていたのを2005年に写真集を出して復帰したらしい。
 80年代の映画では当時の規制によってオッパイの頂上が見えない(コマ送りでよーく見ると見えるところもある)が、現在の韓国ならオッパイくらいどーもないし、欲しい気もするなその写真集。やっぱり韓国にも熟女好きがいるんだろうか? 私はいないと思ってたんだけど…。

# by kobugimori | 2008-10-25 00:02

ネズミゾンビ、その他

ネズミゾンビ

 子供が産まれてからこの3年間わが家では、ミッフィーなど子供向け以外のDVDはゆっくり見られなかった。だから最近では見たいDVDがあると早起きして、子供が寝ているうちに見ることにした。
 これも、朝の7時半から見た。

ネズミゾンビ、その他_d0075839_18423079.jpg
 ↑ 日野日出志じゃないよ

 ビデオ屋の棚でタイトルを目にした瞬間に子宮がキュンってなって、ケースの能書きなんかもほとんど見ずに衝動借りしたヤツだ。
 さて内容はどれほどウンコだろうか? と、薄ら笑いを浮かべて見始めたのだが笑いはすぐに消えた、なぜならこれがタイトルとは裏腹に、きちんとマジメに作られた真っ当な映画だったからだ!
 B級ですけど。あくまでも、低予算B級ホラーとして真っ当、という意味ですけど。

 ウイルスに感染して凶暴化するパターンはほかにもあるが、ネズミが媒介するウイルスによって顔がネズミっぽくなり、人を追いかけるときには四つん這いで。と、いうあたりがネズミゾンビの新機軸だ。
 画面が終始暗いトーンなのが私ごのみで、タメるシーンと激しいシーンとの落差が大きくて飽きないし、特に後半は展開にスピード感があってまあまあだった。
 早起きして見る価値はじゅうぶんにありました。

 最近流行りのこういう「感染系」のヤツってよく考えてみると、ウイルスに感染する前より感染した後のほうが、食欲だの運動能力だの生き抜こうとする力だのが、増進する。っていうことになるよなー。理性はなくなっても、健康な人より元気なんじゃないだろうか? 走るの早いし力も強いし。

FEAST/SLITHER

 そのほかに最近見たB級ホラーで印象に残ったのは「FEAST(フィースト)」と「SLITHER(スリザー)」だ。

 FEASTは、ワケのわからないままどんどん話が進んでいく。ヒーローとか子供とか、普通なら生き残りそうな人から先に死んじゃったり、怪物が交尾して子供を産んだりする。怪物が繁殖するといえばエイリアンシリーズなんかを思い出しますけど、交尾は珍しいんじゃないでしょうか交尾は。怪物の交尾は。
 ともかく、めまぐるしくも予想外の展開の連続で、あっという間に終わってしまった感じだった。

 SLITHERは、FEASTとは反対に、60〜80年代くらいまでのB級SFホラーの定石通ーりに展開していく。いいもん/悪いもん/捨て石/お色気担当など、登場人物のキャラもわかりやすくて、楽な気分で安心して見れた。
 ただし、大量のナメクジまたはナマコのようなヤツが高速で移動して人々を襲ったりして、しかも昔と違ってヌメヌメ感とかノタクリ感がリアルなんで、それ系が苦手な人は注意してください。

MIST

 B級ホラーの定義は何か? といわれても私にははっきり答えられないが、見終わってから「あーおもしろかったー♪」っていう脳天気な爽快感を得られるもの、ということはできる。
 最初にも書いたように私は最近、DVDを早朝に見ることが多い、つまり、朝っぱらからゾンビが血ー吐いたりナメクジの大群に人が埋もれたりするような映画を見てるわけなんだが、朝でも別に問題ないんだ終われば爽快だから。
 ところが、スティーブン キングが原作の「MIST(ミスト)」はダメだったあ…。見終わってからドーンと気分が重くなって爽快感0! これを「朝」見たのははっきり失敗だった。
 まー映画としてつまらなくはない、設定が陳腐とはいえ異様な状況下での人間模様がリアルで、なかんずく宗教ババアのアカデミー賞ものの演技は見応えがあったのだが、なにしろ終わり方が暗すぎて、これを見てウツが悪化して死にたくなった人も多いんじゃないでしょうか世界には。ロードショーのときには、デートでこれを見ちゃって気まずくなって映画のあとやることもやらずにすごすごと帰って行ったカップルも多いと思う。
 登場人物に過多に感情移入するようなタイプの人にはお勧めいたしません。責任持てません!

# by kobugimori | 2008-10-22 18:45

NPOまつり2008

 今日は、にじ屋のスタッフによるスーパーちんどんの公演を見るために、代々木公園野外音楽堂に行った。

 体育館の向こうまで行くと、公園内に「NPOまつり」というのぼりがたくさん立っている。公園内には各団体のテントがあって、そのまわりでフリマが開かれ、飲食の露店もたくさん出ていた。音楽堂のステージでは誰かが歌っている。
 種々雑多な団体が、NPOだという共通点だけで集まった、ユルーい雰囲気のイベントだ。
 にじ屋も運営母体がにじの会というNPOだ。それでスーパーちんどんも出ることになったのだろう。

 ステージに近づいてみたら、歌はすぐに終わり、カンボジアで地雷除去をする団体の人が、次に出てきて地雷の説明をしだした。しばらく聴いてから、そういえばスーパーちんどんはいつ出るのだろうと思って、本部テントまで行きプログラムをもらった。

 スーパーちんどんは…、10:00〜10:25! もう終わってるじゃん!
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 ↑ 会場でもらったプログラム
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 ↑ にじ屋でもらったパンフ

 10:30からだっていうから10:30に来たのにー電車賃返せ! という反応も当然だろうが、私は腹が立つどころか、そういうケンチャナヨなところをむしろ好ましいとさえ感じる社会人失格者なので、まあいいやとフリマをぷらぷらと冷やかして歩いた。

 おじさんの琴線に触れるものがなくて結局フリマでは何も買わなかったが、公園の売店で缶ビールを、露店でモツ煮込みを買い、ステージ前に戻って、ハーモニカ合奏だの太鼓演奏だのを聴きながら飲み食いした。
 天気が良くて気持ちが良かった。

 帰り道、公園脇の道端ミュージシャンの中で、ドラムマニアというバンドがちょっと気になって2曲ほど聴いた。
 曲の完成度も高いし演奏も上手で、決してダメじゃないんだけど、なにしろ毒にも薬にもならない軽いフュージョンで、のっぺりしていて心に引っかからなくてCDを買うまでにはいたらなかった。
>>ドラムマニア公式サイト

 …そんなわけで、スーパーちんどんを見られなかったのは残念だったが、帰りに駅の券売機で立ち往生するウリナラ学生グループを少し手助けしたりもして、気分よく帰ってきました。

# by kobugimori | 2008-10-18 23:25

ロック無韓流~ディープ“Rockin”コリア

 私は昨日、阿佐ヶ谷ロフトAで行なわれた「幻の名盤解放同盟プレゼンツ ロック無韓流~ディープ“Rockin”コリア」というイベントに行った。

 第1部:大韓GSをBGMに同盟の皆さん+韓国で活躍中のミュージシャン長谷川陽平さんのグダグダなおしゃべり、第2部:大韓ロックの父シン ジュンヒョン先生の幻の主演映画「ミイン(美人)」上映、第3部:動くポンチャック〜最新ポンチャックDVD鑑賞、みたいな構成だった。

 第1部は、おしゃべりが音楽にまぎれて聞き取りにくかったが、同盟のみなさんと長谷川さんの膨大なコレクションの中から選りすぐられた大韓ロックはやっぱりすばらしい。気分が良くなって、最初から気が抜けていてクソまずいロフトの生ビールを結局3杯も頼んだ。
 それにしても、この時代の大韓ロックに特有の、ヘビーでダーティーなブリブリブーブーいうギターの音はどうやって出していたんだろう? 韓国製のMarshallとかだろうか?

 第2部の「ミイン」は、存在は知ってはいても見るのはもちろんはじめてで、とても興味深く見た。ケーブルテレビかなんかで放映されたものを録画したようだが、こんな映画をやるチャンネルがあるのはうらやましいかぎりだ。
 内容は、ゆるく冗長な展開、救いようのないエンディングという、この時代の韓国映画に典型的なスタイル、でもサイケな映像と音楽は期待以上だった。ノイズがうるさかったのがちょっと残念。
 映画作りの文法の時代的なセンスのズレから、客席からはときどき爆笑がおこったが、シン ジュンヒョンの演奏を笑う人はいない。

 * * *

 この人が97年に、コプチャンチョンゴル(日本人による韓国ロック専門バンド)の佐藤行衛さんの招きで来日した際には、いっしょに屋形船に乗ってお酒を飲んだのが私の自慢だ。
 外見はまったく普通のおっさんで、たとえば布袋寅泰が前から歩いてきたら誰もがおおっと思うだろうが、背が小さく服も顔も地味いーなこの人とすれ違って大韓ロックのドンだと思う人はいないだろう。
 2000年代に入り、齢70を前にしてだいぶ痴呆が進んだようで、2002年だったか? 2枚組のCD「BODY & FEEL」を聴いたときには失望して力が抜けた。
 ところがその後しばらくして、韓国KBSの「開かれた音楽会」、私はこの番組の「音楽ってすばらしい!」みたいな全体主義的なノリが大嫌いなんだが、たまたま見たらシンジュンヒョンが出ていた。その時の先生の演奏! 一発のチョーキングで予定調和的な雰囲気をぶち壊し、会場を埋めた善良なウリナラ国民をドン引きさせた(?)ギターの音色は、世界の誰よりロックだった。
 今後ともがんばっていただきたいです。

 * * *

 というわけでイベントの話にもどりますけど、第3部の動くポンチャックは、はじまった途端にいたたまれない気持ちになって会場を出てしまった。
 こういうイベントのときには終わってからも朝までウダウダしていた昔とちがって、電車の時間が気になった、というのもあるのだが、四半世紀にわたり日韓友好のため尽力してこられた(笑)同盟の皆さんに較べて私は、韓国愛/ポンチャック愛では人後に落ちないと自負しながらこれまで何を出し惜しみしているのか? と自己嫌悪みたいな気持ちになってしまったからだ。
 同盟の皆さんや長谷川さんや森江さんにも最後に挨拶して帰ろうと思っていたのに、失礼しました。
 昔から細かった根本さんの体が、ますます細く小さくなったようで心配になった。お体に気をつけて、ますますのご活躍を期待します。

>>根本敬公式ホームページ「因果鉄道の旅とマンガ」

 * * *

 イベントに来れなかったみなさんのために、YouTubeで見つくろったのを貼っときます。



なぜかモノクロだけどミインの1シーン



長谷川さんが参加する뜨거운 감자(トゥゴウンカムジャ=熱いじゃがいも)



ポンチャックDVDで踊るうちの子 (^o^)

 * * *

 それにしても今月は濃いイベントが多い、東京国際映画祭のキム ギヨン特集とか。アン ソヨン主演の「自由処女」、むかーしビデオで見たときには言葉がよくわからなかったので、字幕付きでリベンジしたい。「虫女」など、ほかのも見たい。
 10月18日には代々木野外音楽堂で「にじ屋」関係のメンバーによるスーパー猛毒チンドン(ダウン症などの障害のある人たちが白塗りメイクでシャウトし続ける天然系ハイテンション大所帯ちんどんバンド)の公演がある。
 11月1日には豊島公会堂で白玉仙&阿部まりあのチャリティーコンサートがある。これも楽しみ。

>>東京国際映画祭「アジアの風」部門
>>自由処女
>>にじ屋(忙しいのだろうが早く更新してほしいもんだ)
>>にじ屋発行のパンフより、スーパーチンドンの告知
>>阿部まりあブログ

 * * *

追記:
 何週間か前、何かのCMで緒形拳を見て痩せたねー年とったねーと家人と話したらそのあとすぐ亡くなったので、このイベントで根本さんを見たときもマジで心配になったわけだが、根本さんのサイトで古い日記をナニゲに読み返していたら
「久々に会う人間に必ず痩せたねとか、大丈夫と声をかけられるのである。もうかれこれ30年以上ずっとね。」
という記述があった。
 あ、そうなんすか、よかったよかった…。

# by kobugimori | 2008-10-11 14:53