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羊の串焼き in カリボン

 在韓14年の韓国バカKさんから「カリボン市場で食べた羊の串焼きがうまかった」という話を聞いて、私とKさん、共通の友人である韓国人Yさんの3人で食べに行きました。
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↑ 最寄り駅の、地下鉄7号線南九老(ナムグロ)駅で待ち合わせ、早く着いたので駅の周囲を一回り。すると、歩道が毛布で舗装されたところがありました。良い街です、期待できます。
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↑ 駅から歩いて5〜6分、カリボン市場に入ります。中国から来た朝鮮族が多く住んでいるとのことで、店の看板にも韓国では珍しく漢字が多いです。ハングルは読めても漢字が読めない自分がちょっと残念。
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↑ 昔ながらの市場の雰囲気がうれしくなりました。ただし、売っている食材をよく見ると、やはり他の市場とはビミョーに違います。商品名が「우건탕(多分、牛腱湯)」とハングルで表示されている写真の缶詰も、牛さんの絵の雰囲気で予想した通り中国製でした。
 なお、この店でKさんは「干豆腐(カンドゥブ)」なるものを買いましたが、それがどんなものかは後ほどお見せします。
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↑ 2006年カリボンメンズモード。ジャケット・パンツ・インナーとも、すべて同じ生地・同じ柄で仕上げた完璧なコーディネート。しかしね、東大門市場だって、今でこそオシャレな若者のメッカだけれども、90年代のはじめころまではこういう雰囲気が濃厚でしたよ。
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↑ さて、Kさんに案内された店に入って、お目当ての羊の串焼きを注文しましたが、お店のお姉さんも中国から来たようで、韓国語が通じにくいのはご愛嬌。
 肉にはあらかじめ香辛料がまぶしてあり、テーブルの上の炭火で焼いてから、各自でさらに香辛料につけて食べるようになっています。この香辛料がちょっと独特なので何かと思ったら、胡麻とか唐辛子のようになじみのあるもののほかに、クミンが入っているそうです。
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↑ 焼き鳥とは違い、自分で焼きます。串も金属製なので気をつけないと熱いです。
 できたものを口に入れると、大量の香辛料のせいで最初はザラッとした感触があるんだけど、肉を噛むと、焼けた羊の脂がシュワ〜ッと口の中に広がってとてもおいしかった。羊の脂はサラサラと軽いので、たくさん食べても苦しくなりませんでした。
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↑ 羊をたっぷりと堪能した後で、もう一軒行きました。ここで頼んだのは、いかにも中国風に調理された鯉と、例の「干豆腐」です。見た目は完全に一種の「麺」で、重みのある歯ごたえが独特だけど、風味は確かに豆腐っぽかったです。

 羊の串焼きにしろ干豆腐にしろ「韓国女性のキレイのヒミツ ♪」というわけでもないし、この辺の店で「韓流スターに会える!」ことも絶対ないだろうけれども、20年くらい時間を遡ったようなこの街の雰囲気はとてもよかったし、なにより羊の串焼きはうまかった、ぜひまた行きたいと思います。

 余談ですが、大雑把に言って、ソウルの地下鉄路線図で2号線(環状線)の左下の方面(カリボンのある九老(クロ)区やそのとなりの永登浦(ヨンドゥンポ)区など)は、DEEPな場所が多いですね。
 屠畜場と肉市場と焼き肉屋街が隣り合っているところがあったり、駅前の、大きなデパートのすぐ裏が私娼窟だったりしましたから。もっとも、もう10年くらい前の話で、今どうなってるかは知りませんけど。
 九老も永登浦も、もともとが労働者の街で、韓国版女工哀史と言える「九老アリラン」という映画に描かれたり、軍事政権下での労働者の過酷な実態を告発した岩波新書「韓国からの通信」にもたびたび登場しました。中上健次の小説「物語ソウル」も永登浦のスラムが舞台でした。
 韓国の政治・経済の中心地である汝矣島(ヨイド)も永登浦区で、近代的な高層ビルが立ち並んで無機的な印象を受けますが、雑居ビルの地下などには、地方出身者向けの安くておいしい田舎料理の店や居酒屋も多く、探索の価値が大です。

 ソウルは何度行っても飽きませんな。
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by kobugimori | 2006-09-27 19:06

ヒョリたん (´Д`;)

 夕べはガラにもなく難しいことを考えて知恵熱が出ちゃった、だから今日は熱を冷ますためにこれ、イヒョリ「Dark Angel」、ジャケットは凝ってるし曲もかっこいい、ヒョリたん、普段の笑顔のカワユさと歌うときのHっぽさの落差がたまらんのよ、知恵熱は下がったがドコモダケが熱くなっちゃったよ僕ちん!


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by kobugimori | 2006-09-19 22:05

格差社会とナショナリズム

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 日本で、90年代の半ばころから急速にナショナリズムが強まった原因については、たとえば冷戦体制が崩壊して社会主義が求心力を失ったとか、9.11テロや北朝鮮による拉致問題が、平和の続いた日本人にも「敵」の存在を意識させて国防意識が高まったとか、いろいろ言われていますけれども、日常生活の中で私が実感したのは、
(1)インターネットの普及
(2)戦争体験者の減少
この2つです。

(1)については、インターネットが普及しはじめたころ、「これからは国境の意味がなくなる」というようなことがさかんに言われていて、確かに自分のパソコンが世界とつながるという意味でその通りではありましたが、現実には、まず言葉の通じる者どうしが集まり、次に世代や考え方の近い者どうしが群れ、結果として、異物が排除される形で民族主義が先鋭化したということがあると思います。

(2)については文字通りで、この世代は人口もどんどん減っていくし、高齢化によって社会に対する発言力が弱まって、民族主義的なものに憧憬を抱くような若者をたしなめる人がいなくなった、ということです。
 これは韓国でも事情は同じで、実際に日本の統治を体験し、日本語で教育を受けた世代は、日本のこと、日本人のことを直接的によく知っているから、無分別な反日ナショナリズムに対しては、実はかなりブレーキになっていたんです。もっとも韓国では「親日派」のレッテルはすなわち身の破滅を意味しますから、表立って日本の味方になる人は少なかったにしろ、日本人にとっては「言葉が通じる」という以上に「話が通じる」ありがたい存在だったわけですね。
 最近、歴史認識や領土問題で摩擦が激しくなるばかりなのは、韓国政府関係者の中から「話が通じる」世代のほぼ全てがいなくなってしまい、伝統的な日韓交渉のチャンネルが閉じられてしまったということも大きいのではないかと思いますよ。

 ところで、なんでいきなりこんなことを書き出したのかというと、基本的にナショナリズムは私の敵で、それに関連して、たとえば今年のワールドカップやベースボールクラシックスのような国際的なスポーツの試合での韓国人の熱狂ね、日本でもまあ盛り上がってはいたけれども、それとはケタが違うわけですよ、しかも北朝鮮のように強制的に動員されたわけでもないのに何十万人も集まってくるわけよ真っ赤な群衆が。
 私はこれが気持ち悪くて、これはなぜなのか? 私が知っている韓国人はもう少しおおらかだったはずなのに、「たかが野球」「たかがサッカー」にこれほど熱くなるのはなぜか? このことを、今回韓国に行って、私の好きな清渓川とかその周辺とかを歩きながら、そして帰ってからもずっと考えていたわけです。

 そこで気づいたことは、まず、韓国は日本よりも階層間の格差が大きい。格差の広がりを韓国では「両極化」という言葉で表しますが、これがまさにその通りで、輝くばかりの高層アパートが林立するソウルで、道端に並べた古着に群がる人もすごく多いんですよ。また、社会の変化が激しいため、世代間の葛藤も深刻である。思想的にも、たとえば北朝鮮に対する態度が支持政党よっては正反対。さらに、韓国に独特の問題として、地域間の対立、というのもあります。
 ようするに、一口に「韓国」「韓国人」と言っても、その中では階層や世代や思想によっていくつもの集団が寄り集まっているわけです。
 ところが、国民間のこうした深刻な対立を一挙に解消し、階層も世代も地域も超えて「ウリナラ」との連帯感に酔いしれる、それが、ワールドカップなど国際的なスポーツでの熱狂なんですな。
 こういう民族主義的な熱狂のもとでは、たとえば貧乏な階層の人たちは、日常生活の中で感じる閉塞感や劣等感、将来への不安から一時的にしろ逃れることができ、金持ち階層は、いつも心の隅で感じる後ろめたさを忘れることができる。外国と戦うわけだから、地域感情も世代間の葛藤も問題にはなりません。韓国人でありさえすれば、誰もが「ウリナラ」の一員であることを実感し感激すると。
 もしかしたら、昭和初期の日本や、ナチス台頭期のドイツもそうだったのかもしれないけれども、各階層間、集団間での葛藤が大きいほど、ナショナリズムは高揚するのではないでしょうか? 国民間の葛藤の大きさこそ、民族主義的な熱狂の原動力となるのではないでしょうか? 
 
 ついでに言えば、韓国の場合、「反日」もそうですね。「反日」には誰も反対しませんから、スポーツと同じく民族の連帯感を感じることができるわけですよ。私は中国のことはよくわからないけど、世代間の葛藤や所得格差は、韓国と同じく深刻なんでしょ? 反日ナショナリズムとは、国民間の葛藤を乗り越えて民族的な連帯感を得るためのイベントである、と考えたら私としてはある程度得心がいくような気がします。

 というわけで本日の結論、韓国社会の観察によって、日本で、また東アジアの各国で近年ナショナリズムが強まりつつある原因をもう1つ見つけることができました。それは、

(3)格差が広がった

これです。貧乏人のひがみや嫉妬がナショナリストを増長させるんです!

 自分で言うのもナンだけど、やっぱり頭いいわオレって…。



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by kobugimori | 2006-09-18 21:31