ロック無韓流~ディープ“Rockin”コリア
私は昨日、阿佐ヶ谷ロフトAで行なわれた「幻の名盤解放同盟プレゼンツ ロック無韓流~ディープ“Rockin”コリア」というイベントに行った。
第1部:大韓GSをBGMに同盟の皆さん+韓国で活躍中のミュージシャン長谷川陽平さんのグダグダなおしゃべり、第2部:大韓ロックの父シン ジュンヒョン先生の幻の主演映画「ミイン(美人)」上映、第3部:動くポンチャック〜最新ポンチャックDVD鑑賞、みたいな構成だった。
第1部は、おしゃべりが音楽にまぎれて聞き取りにくかったが、同盟のみなさんと長谷川さんの膨大なコレクションの中から選りすぐられた大韓ロックはやっぱりすばらしい。気分が良くなって、最初から気が抜けていてクソまずいロフトの生ビールを結局3杯も頼んだ。
それにしても、この時代の大韓ロックに特有の、ヘビーでダーティーなブリブリブーブーいうギターの音はどうやって出していたんだろう? 韓国製のMarshallとかだろうか?
第2部の「ミイン」は、存在は知ってはいても見るのはもちろんはじめてで、とても興味深く見た。ケーブルテレビかなんかで放映されたものを録画したようだが、こんな映画をやるチャンネルがあるのはうらやましいかぎりだ。
内容は、ゆるく冗長な展開、救いようのないエンディングという、この時代の韓国映画に典型的なスタイル、でもサイケな映像と音楽は期待以上だった。ノイズがうるさかったのがちょっと残念。
映画作りの文法の時代的なセンスのズレから、客席からはときどき爆笑がおこったが、シン ジュンヒョンの演奏を笑う人はいない。
* * *
この人が97年に、コプチャンチョンゴル(日本人による韓国ロック専門バンド)の佐藤行衛さんの招きで来日した際には、いっしょに屋形船に乗ってお酒を飲んだのが私の自慢だ。
外見はまったく普通のおっさんで、たとえば布袋寅泰が前から歩いてきたら誰もがおおっと思うだろうが、背が小さく服も顔も地味いーなこの人とすれ違って大韓ロックのドンだと思う人はいないだろう。
2000年代に入り、齢70を前にしてだいぶ痴呆が進んだようで、2002年だったか? 2枚組のCD「BODY & FEEL」を聴いたときには失望して力が抜けた。
ところがその後しばらくして、韓国KBSの「開かれた音楽会」、私はこの番組の「音楽ってすばらしい!」みたいな全体主義的なノリが大嫌いなんだが、たまたま見たらシンジュンヒョンが出ていた。その時の先生の演奏! 一発のチョーキングで予定調和的な雰囲気をぶち壊し、会場を埋めた善良なウリナラ国民をドン引きさせた(?)ギターの音色は、世界の誰よりロックだった。
今後ともがんばっていただきたいです。
* * *
というわけでイベントの話にもどりますけど、第3部の動くポンチャックは、はじまった途端にいたたまれない気持ちになって会場を出てしまった。
こういうイベントのときには終わってからも朝までウダウダしていた昔とちがって、電車の時間が気になった、というのもあるのだが、四半世紀にわたり日韓友好のため尽力してこられた(笑)同盟の皆さんに較べて私は、韓国愛/ポンチャック愛では人後に落ちないと自負しながらこれまで何を出し惜しみしているのか? と自己嫌悪みたいな気持ちになってしまったからだ。
同盟の皆さんや長谷川さんや森江さんにも最後に挨拶して帰ろうと思っていたのに、失礼しました。
昔から細かった根本さんの体が、ますます細く小さくなったようで心配になった。お体に気をつけて、ますますのご活躍を期待します。
>>根本敬公式ホームページ「因果鉄道の旅とマンガ」
* * *
イベントに来れなかったみなさんのために、YouTubeで見つくろったのを貼っときます。
なぜかモノクロだけどミインの1シーン
長谷川さんが参加する뜨거운 감자(トゥゴウンカムジャ=熱いじゃがいも)
ポンチャックDVDで踊るうちの子 (^o^)
* * *
それにしても今月は濃いイベントが多い、東京国際映画祭のキム ギヨン特集とか。アン ソヨン主演の「自由処女」、むかーしビデオで見たときには言葉がよくわからなかったので、字幕付きでリベンジしたい。「虫女」など、ほかのも見たい。
10月18日には代々木野外音楽堂で「にじ屋」関係のメンバーによるスーパー猛毒チンドン(ダウン症などの障害のある人たちが白塗りメイクでシャウトし続ける天然系ハイテンション大所帯ちんどんバンド)の公演がある。
11月1日には豊島公会堂で白玉仙&阿部まりあのチャリティーコンサートがある。これも楽しみ。
>>東京国際映画祭「アジアの風」部門
>>自由処女
>>にじ屋(忙しいのだろうが早く更新してほしいもんだ)
>>にじ屋発行のパンフより、スーパーチンドンの告知
>>阿部まりあブログ
* * *
追記:
何週間か前、何かのCMで緒形拳を見て痩せたねー年とったねーと家人と話したらそのあとすぐ亡くなったので、このイベントで根本さんを見たときもマジで心配になったわけだが、根本さんのサイトで古い日記をナニゲに読み返していたら
「久々に会う人間に必ず痩せたねとか、大丈夫と声をかけられるのである。もうかれこれ30年以上ずっとね。」
という記述があった。
あ、そうなんすか、よかったよかった…。
第1部:大韓GSをBGMに同盟の皆さん+韓国で活躍中のミュージシャン長谷川陽平さんのグダグダなおしゃべり、第2部:大韓ロックの父シン ジュンヒョン先生の幻の主演映画「ミイン(美人)」上映、第3部:動くポンチャック〜最新ポンチャックDVD鑑賞、みたいな構成だった。
第1部は、おしゃべりが音楽にまぎれて聞き取りにくかったが、同盟のみなさんと長谷川さんの膨大なコレクションの中から選りすぐられた大韓ロックはやっぱりすばらしい。気分が良くなって、最初から気が抜けていてクソまずいロフトの生ビールを結局3杯も頼んだ。
それにしても、この時代の大韓ロックに特有の、ヘビーでダーティーなブリブリブーブーいうギターの音はどうやって出していたんだろう? 韓国製のMarshallとかだろうか?
第2部の「ミイン」は、存在は知ってはいても見るのはもちろんはじめてで、とても興味深く見た。ケーブルテレビかなんかで放映されたものを録画したようだが、こんな映画をやるチャンネルがあるのはうらやましいかぎりだ。
内容は、ゆるく冗長な展開、救いようのないエンディングという、この時代の韓国映画に典型的なスタイル、でもサイケな映像と音楽は期待以上だった。ノイズがうるさかったのがちょっと残念。
映画作りの文法の時代的なセンスのズレから、客席からはときどき爆笑がおこったが、シン ジュンヒョンの演奏を笑う人はいない。
* * *
この人が97年に、コプチャンチョンゴル(日本人による韓国ロック専門バンド)の佐藤行衛さんの招きで来日した際には、いっしょに屋形船に乗ってお酒を飲んだのが私の自慢だ。
外見はまったく普通のおっさんで、たとえば布袋寅泰が前から歩いてきたら誰もがおおっと思うだろうが、背が小さく服も顔も地味いーなこの人とすれ違って大韓ロックのドンだと思う人はいないだろう。
2000年代に入り、齢70を前にしてだいぶ痴呆が進んだようで、2002年だったか? 2枚組のCD「BODY & FEEL」を聴いたときには失望して力が抜けた。
ところがその後しばらくして、韓国KBSの「開かれた音楽会」、私はこの番組の「音楽ってすばらしい!」みたいな全体主義的なノリが大嫌いなんだが、たまたま見たらシンジュンヒョンが出ていた。その時の先生の演奏! 一発のチョーキングで予定調和的な雰囲気をぶち壊し、会場を埋めた善良なウリナラ国民をドン引きさせた(?)ギターの音色は、世界の誰よりロックだった。
今後ともがんばっていただきたいです。
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というわけでイベントの話にもどりますけど、第3部の動くポンチャックは、はじまった途端にいたたまれない気持ちになって会場を出てしまった。
こういうイベントのときには終わってからも朝までウダウダしていた昔とちがって、電車の時間が気になった、というのもあるのだが、四半世紀にわたり日韓友好のため尽力してこられた(笑)同盟の皆さんに較べて私は、韓国愛/ポンチャック愛では人後に落ちないと自負しながらこれまで何を出し惜しみしているのか? と自己嫌悪みたいな気持ちになってしまったからだ。
同盟の皆さんや長谷川さんや森江さんにも最後に挨拶して帰ろうと思っていたのに、失礼しました。
昔から細かった根本さんの体が、ますます細く小さくなったようで心配になった。お体に気をつけて、ますますのご活躍を期待します。
>>根本敬公式ホームページ「因果鉄道の旅とマンガ」
* * *
イベントに来れなかったみなさんのために、YouTubeで見つくろったのを貼っときます。
なぜかモノクロだけどミインの1シーン
長谷川さんが参加する뜨거운 감자(トゥゴウンカムジャ=熱いじゃがいも)
ポンチャックDVDで踊るうちの子 (^o^)
* * *
それにしても今月は濃いイベントが多い、東京国際映画祭のキム ギヨン特集とか。アン ソヨン主演の「自由処女」、むかーしビデオで見たときには言葉がよくわからなかったので、字幕付きでリベンジしたい。「虫女」など、ほかのも見たい。
10月18日には代々木野外音楽堂で「にじ屋」関係のメンバーによるスーパー猛毒チンドン(ダウン症などの障害のある人たちが白塗りメイクでシャウトし続ける天然系ハイテンション大所帯ちんどんバンド)の公演がある。
11月1日には豊島公会堂で白玉仙&阿部まりあのチャリティーコンサートがある。これも楽しみ。
>>東京国際映画祭「アジアの風」部門
>>自由処女
>>にじ屋(忙しいのだろうが早く更新してほしいもんだ)
>>にじ屋発行のパンフより、スーパーチンドンの告知
>>阿部まりあブログ
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追記:
何週間か前、何かのCMで緒形拳を見て痩せたねー年とったねーと家人と話したらそのあとすぐ亡くなったので、このイベントで根本さんを見たときもマジで心配になったわけだが、根本さんのサイトで古い日記をナニゲに読み返していたら
「久々に会う人間に必ず痩せたねとか、大丈夫と声をかけられるのである。もうかれこれ30年以上ずっとね。」
という記述があった。
あ、そうなんすか、よかったよかった…。
by kobugimori | 2008-10-11 14:53