好きなのに素直になれない

 韓国に関わると、楽しいことも多いのだがムカつくことも確かに多い。

 このうち、「楽しいこと」は、趣味や体験を同じくする者同士でしか盛り上がれない、いわば「内輪の話題」にしかならない。
 だから、韓流ポータルサイトならともかく私のこのブログとか>>コレカンみたいなサイトには、少数の「固定客」しかつかない。韓国嫌いな人に、韓国ってこんなに楽しいのよ〜、などといくらいっても、こびりついた嫌悪感を払拭するのは至難の業である。

 それに対して、「ムカつくこと」の原因は、そもそも「日本」対「韓国」という単純な図式に端を発することが多いので、ムカつきの感情は趣味趣向に関係なく、国民の多くに共有されやすい。嫌韓的なサイトには、ムカつきを解消しようと、多くの人が集まってくる。

 2週間ほど前だが、Yahoo!ニュースでこんな記事を見た。

【ソウル22日時事】22日付の韓国紙・中央日報に掲載された世論調査結果によると、「最も嫌いな国」として日本を挙げた回答が昨年の38%から57%に大幅に増加した。日本の中学校社会科の新学習指導要領解説書に日韓が領有権を主張する竹島(韓国名・独島)が明記されたことなどが背景にあるとみられる。

 これを読んで、またムカついた人はたくさんいると思う。オレだって嫌いだよ! と言いたくなった人も多いだろう。
 しかし、韓国ウォッチ歴20年の私が断言するに、韓国人の57%もの人が日本を「最も嫌い」だと、本気で思っているわけがない。

 韓国では、ベンツよりレクサスのほうが人気がある。最近の言葉で、個性的なファッションを「カンジファッション」、そういうファッションに対するほめ言葉として「カンジが出る」などと言うが、「カンジ」は日本語の「感じ」が語源である。独島(竹島)の嵐に見舞われたこの夏も、夏休み映画として劇場版のドラえもんとポケモンが評判だった。また、独島騒動のきっかけとなったニュースが流れた後でも、韓国Yahoo!の検索ワードとしては「ヤマモトモナ」の方がランクが上だった(この騒動も同じころ起こった)……。
 などなど、韓国人にとって「日本」がどれほど身近な関心事か、挙げればキリがない。韓国人自身も、身近すぎて普段は意識していないほどだと思う。

 ではなぜ「最も嫌いな国」に韓国人の57%もが「日本」と答えてしまうのか。
 アンケートがどのように行われたのかわからないが、ごく単純化していえばこれは、質問者に対して、見栄っ張りな韓国人が自分は愛国者であるというポーズをとっているにすぎない。
 戦争に負けた経験のない韓国人は、「愛国」という言葉に抵抗がなく、ウヨクからサヨクまで、老若男女を問わず、誰もが愛国者になりたがるのである。

 また、好きか嫌いかという「アンケートの答えとしての日本」は、あくまでもマスコミに登場する記者/政治家/知識人などの愛国主義的なフィルターを通して伝えられる「韓国人として嫌うべき日本」であって「一般の韓国人の日常に身近にあふれる日本」とは別物だということもできる。
「韓流ファンが憧れる韓国」と「現実の韓国」とは似て非なるものである、ということと共通するかもしれない。

 このあたりの心理について、同じころに読んだ下記のコラムも興味深かった。

>>「嫌い」「好き」と背中合わせ−鹿島茂


 曰く、「嫌い」もまた「好き」の別バージョンにほかならないのである。

 要するに、上記のようなアンケート結果について、親韓派の皆さんは、何も心配することはない。と、こういう結論です。
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by kobugimori | 2008-10-05 10:41