アール・ブリュット

 先日のナンシー関の回顧展のあとに、実はもう一つ展覧会をハシゴした。新橋の松下電工 汐留ミュージアムでの「アール・ブリュット/交差する魂」展だ。

 アール・ブリュットって誰? とお思いの方も多いでしょう。私もそうでした。ところがこれ、人の名前じゃなくて「生の芸術」という意味のフランス語だそうだ。
「アウトサイダー・アート(精神障害などで社会から疎外された人たちが意図せず生み出す芸術作品)」という言葉がやっと世間に認知されだしたところで、なぜまた「アール・ブリュット」などと気取った言葉を使いたがるのか、まったく理解に苦しむのだけれども、内容には関係ないし、まあ、よしとしましょう。

 全体として、散漫なの印象がなくはないけれども、少なくとも「アウトサイダー・アート」というのは、美術の特定の「ジャンル」ではないので、これもまあしょうがない。
 ひとつひとつの作品は、ヨーロッパと日本の代表者を集めたようなものだから、どれも見応えがあって、シゲキ的でした。

 これらの「アウトサイダー」の作品が、なぜこうもシゲキしてくれるのか? といえば、無意識のうちに植え込まれてしまった私たちの美意識とか価値観とかの体系を、根底からグラグラと揺さぶってくれるからだろうと思う。
 たとえば、絵のモチーフが「美しいお姉さん」「水着を着たお姉さん」「フリルのブラウスを着たお姉さん」という、私も大好きなものなのに、私が思い描くそれらの「お姉さん」との、凄まじいまでの距離。久保田洋子という人のこの作品の前では、目眩をこらえてただ唸るしかありません。

 ともかく言葉ではとても説明できないので、ナンシー関展とは違ってポップじゃないけど、退屈な日常にシゲキの欲しい方、ぜひ行ってみてください。おすすめです!

>>ボーダレス・アートミュージアムNO-MA
>>松下電工 汐留ミュージアム
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by kobugimori | 2008-06-19 00:26