車内強姦

 うちの奥さんの実家は関西で、子連れでの里帰りの際、子供がまだ小さいので電車内で席を譲られることがよくあるんだが、関東と関西とを較べると、意外に(?)関東のほうが譲られる確率が高い。混む時間は避けて乗るから、他の乗客にも余裕があるからか、とも思うけど。
 関西では、シルバーシートもあまり関係ないみたい。ただ、子供と一緒にいて「かわいいなぁ」などと声をかけられることは、やはり明らかに関西のほうが多いですな。

 韓国ではどうか、というと、通貨危機を克服する過程で弱肉強食化した現在の韓国社会とはだいぶ事情が違うと思うけど、私が留学していた90年代のはじめころまでは、年寄りなどに席を譲るのはごく当たり前のことで、譲られて礼もしない爺さんが多いくらいだった。
 座っている人が、前に立っている人の荷物を持ってくれたりもした。アルバイトに通うのに毎日バスを利用していたんだが、乱暴な運転で揺れの大きいバスの中で、辞書などでカバンの重い語学留学生は、この習慣にずいぶん助けられたものです。反対に、日本に来た留学生が、立っている人の荷物を持ってあげようとして血相を変えられたという話もよく聞いた。

 だから私としては、日本に帰って来てから、比較的よく席を譲る方になったと思う。奥さんが妊娠してからはなおさらだ。譲るかどうか迷うときは、黙って席を立つとか。
 ともかく知らんぷりはよくない。

 そんなわけで、今日はまことに気分の悪いこのニュース。

 大阪府警淀川署は21日、JR北陸線の富山発大阪行きの特急「サンダーバード」の車内で昨年8月、大阪市内の会社員の女性(当時21歳)に暴行したとして、滋賀県湖南市石部南、解体工、植園貴光被告(36)を強姦(ごうかん)容疑で再逮捕した。当時、同じ車両には約40人の乗客がおり、一部の乗客は異変に気付いたものの、植園容疑者にすごまれ、制止できなかったという。植園容疑者は、昨年12月にも同様に車内や駅構内で女性に暴行したとして今年1月、滋賀県警に逮捕され、強姦罪などで現在公判中。
 調べでは、植園容疑者は、昨年8月3日午後9時20分ごろ、福井駅を出発した直後に、6両目の前方から2、3列目にいた女性の隣に座り、「逃げると殺す」「ストーカーして一生付きまとってやる」などと脅し、繰り返し女性の下半身を触るなどしたという。さらに、京都駅出発後の午後10時半ごろから約30分間にわたり、車内のトイレに連れ込み、暴行した疑い。女性は車両前方のトイレに連れて行かれる途中、声を上げられず泣いていたが、付近の乗客は植園容疑者に「何をジロジロ見ているんだ」などと怒鳴られ、車掌に通報もできなかったという。
 植園容疑者は昨年12月21日、JR湖西線の普通電車内で女性(同27歳)に暴行し、さらに大津市のJR雄琴駅で電車を降り、同駅のトイレに女子大学生(同20歳)を連れ込み、暴行したとされる。
 JR西日本によると、同社の大半の車両には連結部付近に通報ブザーをつけているほか、トイレにも体調悪化などに備えたブザーを設置。いずれも車掌に連絡が届くようになっている。また、特急など停車駅間が長い列車の場合、車掌の車内巡回を励行しているという。同社広報部は「引き続き車掌の見回りなどを強化し、乗客の安全確保、防犯対策に努めていきたい。事件を目撃したら通報ブザーを活用してほしい」と話している。【毎日新聞】

 もし自分がここに居合わせて、どれほどのことができたかはわからないけれども、40人の乗客が2時間近くも、誰も何もしなかったという異常さには呆れるほかない。銃社会アメリカの病の重さは一人の韓国人学生によってあらためて見せつけられたわけだが、日本社会の、このヌルヌルした透明な鎧で武装したような他人への無関心さと無責任さも相当な重病だと思う。

 まこと「美しい国」とはよく言ったものですな。
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by kobugimori | 2007-04-23 21:23